熊本地震シンポジウム2017
「熊本地震から学んだこと、伝えたいこと」  
トップページ
KEEP projectとは
ご挨拶
開催概要
プログラム
演者・座長の皆様へ
参加者の皆様へ
会場案内
リンク
市民/県民公開講座のご案内
エコノミークラス症候群予防無料検診のご案内
 
KEEP projectとは
 震災に限らず災害と静脈血栓塞栓症(VTE)の関連性は数多く報告されていますが、発災早期から発生する急性肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)などのVTEに対する予防活動体制は必ずしも確立されていません。
平成28年熊本地震では発災早期に車中泊の女性がエコノミークラス症候群でお亡くなりになられ、マスメディアの報道が過熱するなか、平成28年4月20日、熊本県健康福祉部長名で日本循環器学会と日本静脈学会に対しエコノミークラス症候群に関する正式依頼が出されました(具体的には、専門医師・技師・看護師派遣と弾性ストッキング依頼ですが、発災の非常に早期に行政から特定の主要学会に正式依頼があるのは異例であり当時の熊本県の決断は高く評価されるのではと思います)。その依頼の被災地受け皿として、わたくしどもはエコノミークラス症候群に対する予防・啓発活動を開始致しました。また、正式依頼とは個別に災害医療専門の新潟大学榛沢和彦先生が4月19日に熊本入りされ、下肢静脈エコーを含めた深部静脈血栓症(DVT)一斉検診を熊本市民病院(橋本洋一郎先生、坂本憲治先生)、熊本赤十字病院(細川浩先生)、熊本大学スタッフと一緒に開始しておりました。熊本県から学会への依頼に対し4月21日に日本循環器学会からの要請で国立循環器病研究センターから専門スタッフが派遣され、また日本臨床衛生検査技師会の献身的なご協力と、その後、熊本市エコノミークラス症候群対策責任者の長井洋平先生の合流、神経疾患がご専門の中島誠先生、安東由喜雄教授にもご指導頂き、これまでの災害ではみられなかった一元化されたエコノミークラス症候群への対応が可能となり、活動を継続してまいりました。具体的には、下肢静脈エコーを避難所、車中泊の方々に施行し、深部静脈血栓症(DVT)のスクリーニング、血栓の存在では、血中D-ダイマーを測定し、高値であれば、基幹病院への紹介を行い、弾性ストッキング着用指導を含めた保健衛生活動も同時に行ってまいりました。また、熊本県庁のホームページを通じまして、全県下基幹病院との共同でエコノミークラス症候群発症状況を逐一報告することで、注意喚起を行いました。
 最終的に、
1) 大学、基幹病院、地元医院の地域医療機関、
2) 日本循環器学会、日本静脈学会、日本脳卒中協会、日本臨床衛生検査技師会、日本心エコー図学会、日本心臓病学会等の主要学会、福島県立医科大学、福井大学、新潟大学等の大学や県外医療機関からの団体・個人的支援
3) 行政(厚生労働省、熊本県、熊本市)
4) マスメディアとの連携
四位一体による活動となり、熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト:Kumamoto Earthquakes thrombosis and Embolism Protection(KEEP)Projectと命名しました。
プロジェクトは、
1) エコノミークラス症候群の予防・啓発
2) 現状把握(サーベイランス)
3) 将来的な建設的提言
3つを軸にしました。
 活動にあたりましては、日本循環器学会(プロジェクトリーダ−:啓二郎福岡大学教授)、日本静脈学会、日本脳卒中協会、日本脳卒中学会、日本臨床衛生検査技師会(長沢光章副会長)、日本心エコー図学会(中谷敏理事長)、日本心臓病学会、日本超音波医学会、等の主要学会、また弾性ストッキング関連の企業、製薬企業、検査薬企業、検査機器企業、マスメディア関連企業など、たくさんの方々のご支援があり、またKEEPプロジェクト発足当初から医療救護調整本部JMAT近藤祐史先生、厚生労働省現地対策本部高山啓先生、有賀玲子先生、国立循環器病研究センター小川久雄理事長、安田聡先生、新潟大学榛沢和彦先生、熊本県健康づくり推進課の皆様、倒壊危機で入院機能停止となり積極的に活動に従事されました熊本市民病院の皆様(橋本洋一郎首席診療部長、坂本憲治循環器医長のリーダーシップで看護師さん、技師さんも含めまして)、熊本赤十字病院細川浩先生、熊本大学消化器外科長井洋平先生等には特に大変お世話になりました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。
急性期を過ぎた後も、避難所、仮設住宅での深部静脈血栓症一斉検診を含めたエコノミークラス症候群予防・啓発活動を継続し、脳卒中、けいれん、たこつぼ型心筋症、心不全、不整脈等の急性脳・心血管疾患の予防・啓発まで拡充し、また日本循環器学会、日本脳卒中学会、日本脳卒中協会との共同で、パンフレット、チラシを作成、配布し、二次的健康被害を最小化する努力を行っております。
引き続きご支援よろしくお願い申し上げます。
組織構成

メンバー
 
掃本 誠治(九州看護福祉大学、代表)
橋本洋一郎(熊本市民病院、副代表)
中島  誠(熊本大学神経内科)
小島  淳(熊本大学)
細川  浩(熊本赤十字病院)
坂本 憲治(熊本市民病院)
長井 洋平(熊本大学)
榛沢 和彦(新潟大学)
増永 純夫(熊本県臨床検査技師会 会長)
田中 信次(熊本県臨床検査技師会 DVT検診担当)
嶋田 晶子(熊本県看護協会会長)
川崎貴代美(熊本市民病院看護部長)
東  智子(熊本赤十字病院看護部長)
稲富雄一郎(済生会熊本病院)
藤本 和輝(熊本医療センター)
野田 勝生(熊本中央病院)
西上 和宏(済生会熊本病院)
永田 晃平(東熊本病院)
山本 多美(済生会熊本病院)

行 政
 
厚生労働省健康局
熊本県健康福祉部 健康局 健康づくり推進課
熊本市健康福祉局 保健衛生部 健康づくり推進課
DMAT事務局(近藤 祐史)
熊本市保健医療救護調整本部DVT対策班(坂本 憲治、佐藤 幸治)

支 援
 
日本循環器学会 熊本地震被害者救済プロジェクトチーム(朔 啓二郎)
日本臨床衛生検査技師会 災害対策委員会(長沢 光章)、
植田 信策(石巻赤十字病院)
高瀬 信弥・佐戸川弘之(福島県立医科大学)、
山村  修(福井大学)、吉田 光宏(八代郡医師会病院)
添 啓二(高添内科循環器内科クリニック)、
末田 大輔・藤末昂一郎(熊本大学)
甲斐  豊(阿蘇医療センター)、
山本智恵子(訪問ボランティアナースの会 キャンナス熊本代表)

協力学会
・協 会
 
日本循環器学会、日本心臓病学会、日本臨床衛生検査技師会、
熊本県臨床検査技師会、日本静脈学会、 日本超音波医学会、
日本心エコー図学会、日本栓子検出と治療学会(Embolus学会)、
日本血栓止血学会、日本脳卒中協会、熊本県看護協会
顧 問  
安東由喜雄(熊本大学神経内科学教授)
辻田 賢一(熊本大学循環器内科教授)
特別顧問  
小川 久雄(国立循環器病研究センター理事長)

4月21日熊本県庁で会議
熊本県から感謝状
この感謝状は、熊本地震の被災地で支援活動などに取り組んだ企業や団体に対し、 地震発生から7か月を機に復興への節目として、266企業・団体に贈られたものです。
11月16日の贈呈式(於熊本テルサ)では、192団体の代表が出席し、知事より感謝状が一人ずつ贈呈されました。
 
2016.11.16 授与式 於:ホテル熊本テルサ
写真は蒲島 郁夫 県知事、熊本市民病院 坂本 憲治 医長
Copyright © 熊本地震シンポジウム2017. All Rights Reserved.